翻訳力を鍛えるために、『翻訳の布石と定石』を使って集中的に和訳の練習を行いました。
これまで特許明細書の自力翻訳や対訳学習を通じて、自分なりに定訳を蓄積してきたつもりですが、幅広くいろんなパターンを網羅した参考書で勉強する必要性を感じていました。
そこで、講座の先輩や現役の受講生のみなさんが推奨する『翻訳の布石と定石』を使って、
約1か月間集中的に和訳の練習に取り組みました。
以前ホームページの「翻訳の泉」を読んだだけではなかなか身につかなかったので、
例題を一文ずつ自分で訳し、納得できるまで解説を読んで、重要だと思われる箇所を「知子の情報」へ記録していきました。
第1章の基本変換Iは、名詞/動名詞/形容詞構文など、定訳のノウハウというよりは、翻訳という作業の根幹にふれるような内容でした。
原文の英語も訳文の日本語も、同じ内容を違った形式で様々に表現することができるので、
文の内容把握をしっかりした上で、適切な表現方法を選択していく必要がある。
これは、言うは易し行うは難しの典型で、少し練習問題をこなしたくらいで身につくものでは
ないでしょうが、これからの勉強の中で忘れないようにしていきたいと思います。
第2章の基本変換IIは、能動/受動、to不定詞/so that構文/関係節など、
基本的な文法理解だけでは上手く訳せない文に出会うことが多く、自分の訳文に自身が持てないこともあったので、大変参考になりました。
目的、意図、結果、様態など文法的な解釈が先行してしまいがちですが、
文章の内容を理解したうえで、いくつかある基本のパターンを選択する姿勢を
身につけたいと感じました。
第3章のANDとORも内容理解が前提となる代表格で、自分にとって係り受けミスの最大の
原因となる部分です。ここでは日本語の助詞の使い方で訳文のニュアンスが変わる部分が
参考になりました。
例題の文は、IT・電気/電子・化学・バイオ・法務分野などから幅広く選択されています。
短い文章からでも、内容を予測したり、できるだけ業界で使われている用語を選択できるよう検索を行って、実践のつもりで練習を行いました。
当然ですが、これまで学習してきた分野に関するテーマは容易に内容が理解できますが、
全く知らない言葉だらけの例文も数多くあり、どこに穴があるかを見つけるきっかけにも
なりました。
最終の第6章の辞書と語彙では、訳語選択を間違えると誤訳につながる
多義語が紹介されていましたので、一つ一つ自分の所有する複数の辞書を調べて、
語義と例文を整理したものを「知子の情報」に記録しました。
この作業はこれからも継続して、基本語/重要語についてはすぐに検索できるように整備
していくつもりです。
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