物理再入門(11)-(14)

今回は光学に関わるテーマが多くなりました。半導体製造装置、カーボンナノチューブ、内視鏡、CTスキャンなど興味のある分野を選択し、背景情報を勉強しながら明細書を読みました。

1.物理再入門(11)中実軸/中空軸、落体の法則、双眼鏡・望遠鏡

(1)特開2005-142188 光学装置および半導体露光装置 キヤノン
ArFエキシマレーザやフッ素エキシマレーザによる露光装置では、波長付近に酸素の吸収体が複数存在しているために、窒素パージなどで酸素濃度を下げた環境で光を透過させる必要があります。

酸素濃度を一定の水準以下に保った上で光学部品の位置調整を行うため、本発明では密閉された窒素パージ空間をモジュール化することで、組み立て時、メンテナンス時、装置稼働時のレーザ光の光量損失を防ぎ、正確な位置合わせに基づく露光の実現を提案しています。

明細書を読むために、光の屈折やレンズなどの光学の基礎、レーザーの原理について調べました。

(2)特開2006-013033 EUV光源、EUV露光装置、及び半導体デバイスの製造方法 ニコン
この明細書では、波長13.5nmのEUV光源のターゲット物質として、高出力が得られる金属固体のSnを提案しています。露光中のdebrisを削減するために、Snを液体として用いることができる低融点の合金組成が発明の内容です。

ターゲット物質生成のためのプラズマの原理を調べ、物質の状態図について復習をしました。

2.物理再入門(12) 地球の公転・自転、万有引力、相互作用

再表2009/128342 繊維状柱状構造体集合体およびそれを用いた粘着部材 日東電工
優れた粘着特性を有するカーボンナノチューブを使った粘着部材に関して、チューブの層数と直径などの分布とバラツキと特性の相関を分析して、最適な形態が提案されています。

カーボンナノチューブ関連の企業サイト・論文類を読み、フッ素コートに関連して調べた界面張力の復習を行いました。

3.物理再入門(13)超音波、屈折の法則、フェルマーの原理

(1)WO2012140769A1 車両用物体検出装置および方法 トヨタ自動車
車両周囲の障害粒を超音波で検出する装置に関する特許です。

ドップラー効果、三角測量、ベクトルなど物理・数学の復習を行いました。

(2)WO2009107319A1 超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法 信越半導体株式会社
半導体ウェハを超音波洗浄するにあたって、定在波の節の位置の洗浄が不十分になる問題を解決するために、複数の洗浄槽を設けて洗浄槽のウェハ保持器具と超音波伝播槽を揺動させる機構が提案されています。

超音波の原理について調べ、定在波の復習を行いました。

4.物理再入門(14)光の屈折・内視鏡・CTスキャン

(1)特開2000-245693 内視鏡装置 オリンパス
(2)再表2013/137372 ファイバースコープ並びに内視鏡システム コニカミノルタ
内視鏡に関する明細書は始めてだったので、内視鏡の歴史、ファイバースコープの原理、内視鏡でのCCD構成(面順次方式)、画像処理などについて幅広く検索して資料を入手し、明細書を読みました。

(3)再表2007/114470 X線CTスキャンシミュレータ装置、プログラム 日立メディコ
CTスキャンを行う上で、被験者のX線被曝量を抑制しながら診断に必要な最適な画像を得るための最適条件を決めるためのシミュレーション技術とパラメータ設定UIが提案されています。

CTスキャンについて基礎から学ぶためにメーカーや医療機関の資料を調べました。
画像処理のコントラストを画素値の標準偏差(SD)を選択することで行っており、標準偏差・分散についても基礎的な内容を確認しました。

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IT機器メーカーの会社員です(営業・マーケティング職)。 退職したあとプロの特許翻訳者としてデビューするために勉強をはじめました。  2020年10月よりレバレッジ特許翻訳講座を受講しています(第10期生)。 理科の基礎知識から積み上げて、最終的には信頼される翻訳者になることが目標です。